topbanner

総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

名作書き写し文章術

メイサクカキウツシブンショウジュツ

超入門 1日10分続けるだけ

高橋フミアキ著

「名文を真似て書く」で10倍上達! あの文豪たちもやっていた!

「名文を真似て書く」だけで、文章力が大幅アップ。この名作書き写しトレーニングを効果的に行うための簡単なテクニックを伝授。とにかく文章を書くのが苦手、1行めからつまずく人でも大丈夫。

主な内容

プロローグ “書き写し”こそいちばんの早道!
1章 こんな人たちも必ず書けるようになります
2章 1日10分「名作書き写しトレーニング」
3章 「名作書き写しトレーニング」でスキルアップ
4章 「書き写す」から「自分の文章を書く」へ
5章 読み手の心を動かすとっておきのテクニック

詳細な目次のページを開く

名作書き写し文章術
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
244 頁
発行日
2009.9.18
ISBN
978-4-87795-172-6

立ち読み

プロローグ “書き写し”こそいちばんの早道!

 僕の文章スクールでは、名作を書き写すトレーニングを行なっています。この「名作書き写しトレーニング」で文章を書く力が間違いなく伸びていきます。
 それは、僕自身の体験がベースになっています。作家になりたかった僕は20代のころ、文章力を身に付けるには、書いて、書いて、書きまくることだと考えました。ところが、何をどう書いていいかわかりません。情熱だけが空回りしていました。
 そこで、先輩に相談すると「名文家の作品を書き写してみろ」と先輩は言います。僕は、そのとき書き写すなんて、面倒くさいなあ、とは思いませんでした。「それならできる!」と喜んだのです。書き写すだけなら、誰でもできるのですから。
 しかし、僕はカンパンを食べながら書き写す作業をやりました。宮本輝、村上春樹、安岡章太郎、芥川龍之介、太宰治、井伏鱒二などの作品を次々と書き写していきました。根を詰めて書いたのは3日間です。それ以降は1日10分くらいを目安に、少しずつ書いていきました。
 作家として活動する今でも、この書き写すというトレーニングはやっています。名作を書き写していると精神が落ち着くからです。イライラが解消され、心が穏やかになっていくのがわかります。僕のストレス解消法でもあります。
 先ほどの30代の男性にもこのトレーニングをすすめてみました。
「どうですか、やってみませんか?」
 僕がそう言うと、彼は、
「はい、それだったら私にもできそうな気がします」
 と言って、それまで沈んでいた目を輝かせます。僕は、名作書き写しトレーニングのやり方を説明しました。
 翌日、彼は僕にメールしてきました。課題として与えられた作品の文章をさっそく書き写していると書いてあります。
『高橋先生は、1日10分でもいいと言われましたが、ホントにそんなもんでいいんですか?』
『時間があれば、もっとやってもいいですよ。でも、継続することがもっと大事です』
『じゃあ、もう少し時間を使ってみます』
『1日にたくさんやって、しばらくやらないでいるより、毎日少しの時間でも継続するほうが文章上達には効果的なんです。1日10分を目安に、継続しやすい時間に調整してみてください。続けてさえいれば必ず上達しますよ』
 メールでそんなやりとりをしました。
 彼は毎日、この文章トレーニングを続けました。3分しかできない日もあったそうですが、やり続けました。
 翌月の文章スクールに彼が来たときです。文章を書く課題を出し「はじめてください!」と言った瞬間、彼は一気に書きはじめたのです。原稿用紙の上をペンが動くのです。コツコツという音が勢いよく聞こえます。
 僕は、びっくりしました。1行も書けなかった人が、驚くほど書けるようになったのです。彼は、約1カ月、名作書き写しトレーニングを継続しただけです。あらためて、これは凄い! と思いました。
 書き写すという作業なら誰でもできます。そのためのわずかなテクニックさえ理解して実践すれば、文章がスラスラ書けるようになるのです。1日10分継続していれば、必ずその瞬間が訪れます。それは、僕自身が実体験していますし、文章スクールの生徒たちも体験していることです。
 次はあなたの番です。

目 次

もくじ●名作書き写し文章術

プロローグ “書き写し”こそいちばんの早道!

1章 こんな人たちも必ず書けるようになります

とにかく文章を書くのが苦手

たった1行書くだけでも文法間違いが起こる

そもそも机に向かう習慣がない

言葉を組み合わせて考える習慣がない

まとまった文章を読む習慣がない

どうしたら文章が上達するのか見当がつかない

●コラム1 伝達力を身に付けるいちばんの近道

2章 1日10分「名作書き写しトレーニング」

書き写しで文章力が一気に伸びる

名作書き写しトレーニング三つの心得

 ①第一の心得――継続することにこだわる

 ②第二の心得――場所にこだわらない

 ③第三の心得――とにかく楽しんでやる

効果的な書き写し方を身に付ける

・書き写し文①――『雨ニモ負ケズ』宮沢賢治

【ポイント】具体的な言葉で表現する

・書き写し文②――『道程』高村光太郎

【ポイント】短文で言い切る

・書き写し文③――『女よ』萩原朔太郎

【ポイント】5感を刺激する

・書き写し文④――『トロッコ』芥川龍之介

【パート1・ポイント】行動の動機を明確にする

【パート2・ポイント】意味深いことをわかりやすく表現

【パート3・ポイント】余韻を残して終わる

・書き写し文⑤――『檸檬』梶井基次郎

【パート1・ポイント】人の感性の描き方を味わう

【パート2・ポイント】作家の描写力や表現力を楽しむ

【パート3・ポイント】作者の息遣いや筆力にふれる

【パート4・ポイント】すぐれた文章テクニックを学ぶ

●コラム2「名作書き写しテクニック」でアイデアが豊かに

3章 「名作書き写しトレーニング」でスキルアップ

モチベーションが着実にアップする

・書き写し文⑥――『みにくいアヒルの子』アンデルセン・菊池寛訳

【パート1・ポイント】昔の自分を思い浮かべてみる

【パート2・ポイント】心の中に眠っている思いを探る

【パート3・ポイント】今の気持ちを見つめてみる

【パート4・ポイント】自分の心を突き動かすものは何か探る

【パート5・ポイント】主人公の境遇を自分に重ねてみる

【パート6・ポイント】自分の中の「美しい白鳥」を探ってみる

美しい敬語マナーが身に付く

・書き写し文⑦――『蜘蛛の糸』芥川龍之介

【パート1・ポイント】敬語の言い回しに慣れる

【パート2・ポイント】丁寧語と敬語の微妙な違いに慣れる

【パート3・ポイント】敬語の使い分けに慣れる

●コラム3 悪文直しテスト

【テスト1】無駄な言葉を省く

【テスト2】具体的な情報を加える

【テスト3】人物の性格描写を絞り込む

4章 「書き写す」から「自分の文章を書く」へ

「ブレストストーリー」を活用──自分の文章がスラスラ書ける

 ステップⅠ 出来事を中心に書く

 ステップⅡ 5感による情報を加えて書く

 ステップⅢ 5W1Hを加えて書く

 ステップⅣ 人物描写を加えて書く

 ステップⅤ 場所に関する情報を加えて書く

●コラム4 筋道を立てて考える力がつく

5章 読み手の心を動かすとっておきのテクニック

構成テクニックの基本を体に刻み込む

“たとえ話”を使うテクニック

自分の体験談を使うテクニック

歴史上の人物の物語を使うテクニック

テレビドラマや映画の場面を使うテクニック

●コラム5 マインドマップで、書く情報を整理する

●コラム6 書く習慣が身に付くとこんな効果も

 Ⅰ自分の頭で考えるようになる

 Ⅱプレゼンテーションが好きになる

 

エピローグ

プロフィール

高橋フミアキ(たかはしふみあき)

作家&ヒプノセラピスト。宮崎ますみ先生に師事しヒプノセラピストになる。

大手広告代理店に10年間勤務したのちフリーとなり、ビジネス雑誌やグルメ雑誌などに携わる。2007年に文章スクールを立ち上げ、文章の基礎から小説の書き方まで幅広く指導。また、企業の社員研修でレポートの書き方やメール、論文の書き方、コミュニケーションなどを講義。フリーライターの育成にも尽力。メールマガジン『ポンポコ先生のライタースクール』も好評配信中。さらに、「夢のスクール」を定期的に開催し、ヒプノセラピーのグループセッションを行っている。