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総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

楽しく歌うだけで脳がたちまち若返る!

タノシクウタウダケデノウガタチマチワカガエル!

医師と作曲家が共同開発! もの忘れ・認知症にならない脳トレ 「音楽脳」を刺激すると脳が目覚める!

周東寛・山田ゆうすけ 共著

「幸せホルモン」で脳が活性化

「健康カラオケ」をうたい文句に、病院内にカラオケルームを設置するなど、医療現場に歌うことを積極的に取り上げてきた。歌うことによって「音楽脳」を刺激、「幸せホルモン」が分泌される。楽しく歌うことが、認知症の予防・改善には有効であり、その効果的な歌唱方法を具体的に紹介する。見ながら実践できる動画DVD付き。

主な内容

1章 楽しく歌うだけで脳が目覚める!
2章 歌うことは脳の活性化、認知症予防に直結!
3章 この歌い方が脳の刺激に効果的!
4章 誰でも楽しく歌える課題曲に挑戦!
5章 リズム体操も認知症に効果的!

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楽しく歌うだけで脳がたちまち若返る!
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
148 頁
発行日
2016.5.26
ISBN
978-4-87795-337-9

立ち読み

はじめに

♪誰でも歌っている瞬間は人生の主役‼

「なんでこんなに歌が好きなんだろう?」「なんでこんなにイキイキと歌えるんだろう?」。カラオケの音楽に合わせて、キレイなドレスをまとってうっとりとステージで歌うご婦人の姿は若々しさいっぱいです。その歌声もイキイキとしていて、思わず聴き入ってしまいました。

 たくさんの聴衆が見守るステージで、まさしくスターになって思いっきり歌うと、会場から拍手が湧き上がります。「よかったよー!」と声もかけられ、花束を受け取る人もいます。

 これは、毎年、埼玉県越谷市のサンシティホールに500人〜1000人くらいのお客様を招いて開催している「健康まつり」の中のカラオケコーナーでの光景です。今年で12回目になります。歌あり、踊りあり、郷土芸能の和太鼓ありのにぎやかなフェスティバルです。「歌と健康」と題した講演も行なっています。何より皆さんが楽しみにしているのは、一人ひとりがステージに立ち、華麗な衣装をまとってスターのようにカラオケで歌を披露することです。

 晴れの舞台でうまく歌うことはとても難しいことですが、皆さん、自分の持ち時間である3、4分の歌唱のためにたくさん練習をしてこられます。そして、みんなが注目するステージで一生懸命歌われます。

 けっこう高齢の方もステージに立たれますが、歌詞は全部暗記していて、その瞬間は完全に会場の主役になりきっているようです。誰でも、自分の人生の主役として生きていると感じるときは輝いて見えます。

 ステージで歌っているときも、その一つなのだと思います。何歳になっても、そんな体験を積み重ねていくことができれば、いつまでも若々しくてきっと認知症にはなりにくい。それが、長年臨床現場で患者さんと接している私の実感です。

 松尾芭蕉は「人は人生の旅人」と言ったそうです。人それぞれが自分の人生を旅しているのだと思います。その旅の主役は、いくつになってもその人自身ですし、そこでいつまでも思いっきり輝いてみたいのです。

♪楽しく歌っていると頭もフル回転

 今後ますます増加することが心配されている認知症は、さまざまな要因で起こる病気で、一口にこういう人がなりやすいとはなかなか決めつけられません。それでも、私の35年間あまりの臨床経験で、大まかな傾向があるように見受けられます。

 認知症を誘発する病気はいろいろありますが、生活習慣としては食生活の偏りや運動不足、さらにはアルコールの過剰摂取、喫煙などが認知症になる確率を高めます。

 また、性格面では、どちらかと言うと思考がかたく、気が短くて融通が利きにくいとか、周囲とのコミュニケーションが少なく社交的でないといった場合に、発症する確率が高くなっているように思われます。

 たしかに、80歳、90歳を超えても認知症にならない方には、元気で朗らかで社交的、あまり細かいことを気にしない方が多いようです。実際、臨床現場で接している患者さんですと、いつも人と人との繋がりを持っていて、たくさんの人と積極的に交流し、よく笑い、どんな環境でもすぐ溶け込んでいるような方は頭もしっかりしています。

 私のクリニックでは医療に歌を積極的に取り入れるために院内にカラオケルームを設置しています。患者さんはいつでも自由に利用できるようになっていて、週に2回は専門家を招いてカラオケ教室も開いています。まさしく「健康カラオケ」として患者さんの治癒力アップを目指してご活用いただいています。

 そこに参加して楽しく歌っている方たちや、「健康まつり」でステージで歌っている方たちは、とてもイキイキして元気です。本当に健康で頭もフル回転しています。

 それは歌うことで脳内のホルモンの分泌が活性化され、心地よさが生まれることや、たくさんの仲間やお友達と仲よく歌う、つまり人とのふれ合いがいい効果を生み出しているのだと思います。

♪認知症の予防・改善に有効な歌唱法を紹介

 この本を通して、楽しく歌うことが認知症予防にとても効果的であることを伝えようと思い立ちましたのも、臨床の場で長年そんな方たちの姿を見てきたからです。

 これまで、楽しく歌うことをたくさんの方にすすめてきましたが、治療面で顕著な効果が表われた症例もたくさんあります。たとえば、血圧が安定した、更年期障害から解放された、重度の脳障害から回復した、などです。なかには、余命3カ月と宣告されて7年が経過している人もいます。

 そんななか、認知症への関心が高まっていることもあって、歌うことと認知症予防の関係についてたずねられることが増えてきました。じつは、歌うことによって「音楽脳」を刺激すると脳全体が活性化します。私は28年前から、そのとき分泌される脳内ホルモンを「幸せホルモン」と呼んでいます。それはなんとも言えない心地よさが生まれるホルモンだからです。このホルモンが脳の活性化に有効であることもわかってきています。歌うことと健康の関係については拙著『医者がすすめる「演歌療法」』で紹介しましたが、本書では認知症の予防・改善に焦点を当て、そのために楽しく歌うことが非常に有効であることや、そのために効果的な歌唱方法(周東と山田で共同開発)を具体的に紹介したいと思います。

 誰でも楽しく歌える「課題曲」や、動画を見ながら練習できるようにDVDも準備しました。さあ、みなさん、健康長寿に向かって歌いましょう!

医学博士 周東 寛

目 次

もくじ――楽しく歌うだけで脳がたちまち若返る!

はじめに

♪誰でも歌っている瞬間は人生の主役‼

♪楽しく歌っていると頭もフル回転

♪認知症の予防・改善に有効な歌唱法を紹介

1章 楽しく歌うだけで脳が目覚める!

1 患者さんが教えてくれた歌による認知機能改善効果!

【コラム】歌を通して健康増進運動を進める(斎藤恵理子)

2 失語症にも歌が効果的!

【コラム】脳梗塞による失語症を発声練習で克服(佐藤友治)

3 仲間といっしょに楽しく歌うのがもっとも効果的

【コラム】歌っていると、みんなの心がつながってくる(橋本都)

2章 歌うことは脳の活性化、認知症予防に直結!

1 歌うと脳の血行がよくなり脳細胞が活性化する

2 「ナチュラルハイ」で脳波に変化が!

3 「幸せホルモン」の増加で「幸せループ」ができる

【コラム】歌うことは「幸せホルモン」の分泌につながり、若返る秘訣である!(西條徹)

4 認知症の中核症状を予防・改善する

【コラム】元気に明るくみんなで歌いましょう!(青木栄子)

3章 この歌い方が脳の刺激に効果的!

1 「クレッシェンド」「デクレッシェンド」「ビブラート」歌唱法の健康効果

2 「クレッシェンド」「デクレッシェンド」歌唱法のトレーニング

♫練習曲1(DVDトラック1:女声キー、トラック2:男声キー)

[ステップ1]集中して聴きながら歌ってみる

[ステップ2]「クレッシェンド」「デクレッシェンド」歌唱法に挑戦

3 「ビブラート」歌唱法のトレーニング

♫練習曲2(DVDトラック3:女声キー、トラック4:男声キー)

[ステップ1]声を震わせてみよう

[ステップ2]“ドレミ”で「ビブラート」

【コラム】体は楽器です!(リュウ・メイア)

4章 誰でも楽しく歌える課題曲に挑戦!

♫課題曲1『花でいましょう』 (DVDトラック5、6、7)

[歌い方のポイント]

[サビをより上手に歌う方法]

【コラム】女性は何歳になっても花でいましょう(高林こうこ)

【コラム】「咲きましょう! 咲きましょう!」(珠木美甫)

♫課題曲2『フレーフレー東京・世界を一つに』 (DVDトラック8、9、10)

[歌い方のポイント]

[サビをより上手に歌う方法]

【コラム】「うたと音楽」の力で社会支援

5章 リズム体操も認知症に効果的!

1 リズムやメロディに合わせて体を動かすと効果がさらにアップ

2 「健康リズム体操」下半身強化運動 (DVDトラック11)

1.足指・足裏の強化

2.足首の柔軟性

3.ふくらはぎの血流アップ

3 「健康リズム体操」回転椅子で腰の捻転体操 (DVDトラック12)

【コラム】「ミューフィットと健康リズム体操教室」(池田淳)

4 「エアスイミング」で全身運動 (DVDトラック13)

【コラム】歌の指導はスポーツであり生涯教育の一環です(石黒充子)

 

おわりに

プロフィール

周東 寛(しゅうとうひろし)

1978年昭和大学医学部卒。1986年、駅ビル医院「せんげん台」を開院し、1990年に医療法人健身会を設立。2003年には南越谷健身会クリニックを開院。昭和大学医学部兼任講師。獨協医科大学非常勤講師。医学博士。

西洋医学に東洋医学を取り入れ、食事指導、運動指導や最新の検査機器を導入して予防医学にも尽力。