まえがき ナオキ君との十年間のかかわりで教育の根源を知る 3

 

1  奇跡的で神秘的な私達の生命の誕生

奇跡的な生命の誕生――人間 20
生まれてすぐに心臓の病に 21
特別支援学級に通う 22
沖縄高等特別支援学校・分教室に進学を希望 25
難関だった高校入試に見事に合格 26

2  ナオキ君の幼児期から小学生までの回想

生き物が大好きというナオキ君の「個性の芽」をいかに育むか 30
生き物への興味とそれを弔う優しさ 33
恐竜に対する驚くべき探究心 35
クワガタの生態に関心を持つ 38
彼が忘れられなかった林へのピクニック 39
汚してもいい草の家に住みたい 41
図書館から借りる本はいつも生き物の本 42
小学二年生でクモの足が八本ということを知っていた 44
カブトムシの飼い方を夏休みの自由研究に 45
テレビのクイズ番組でカブトムシの問題にほとんど正解 47
カブトムシに〝鳴き声〟があった! 48
「生き物が住みやすい環境」ビオトープを作る 49

3  私との会話から生まれた驚きのナオキ君レポート

テーマを決めて書いた「ナオキ君のレポート」 52
―僕のペット― 53
―これまでに飼ったことのある生き物― 53
〈ピラニアを飼う〉 56
〈フトアゴヒゲトカゲを飼う〉 57
〈ボールパイソン(ヘビ)を飼う〉 60
〈クモを捕まえて〉 63
〈ヘラクレスオオカブト〉 64

4 「彼のレポート」からわかるナオキ君の知られざる能力

二、三分で書きあげた「生き物リスト」 68
幼児期にすでに現れていた生き物への興味 70
海中の生き物を見つける鋭い目 71
家族同様に愛したフトアゴヒゲトカゲ 73
フトアゴヒゲトカゲで知識から観察、予測、実験…… 76
体験を通してボールパイソンの新知識を得る 78
中学生になるとオオカブトの飼育は科学的探究へと発展 81
蛹から成虫になる日を正確にあてる 84
失敗体験を通して実験方法の間違いを知る 85
日本のカブトムシとヘラクレスオオカブトでは成長日程が違っていた 88
成虫の羽の色は赤から黒に変化する! 89
クモとバッタを一緒にケージに入れて…… 90
鋭い観察力でクモの正しい生態も知っていた 94
ナオキ君の中の埋もれている宝物をいかに引き出すか 96

5 学校では得られない本物の学力を身につけるには

学校で教えない漢字が書ける漢字力 100
驚くべきナオキ君の地理力 102
強い関心と反復が記憶を定着させる 105
意味記憶とエピソード記憶 108
生き物で豊かな学力を身につけたナオキ君 110
心が動くことで定着した知識に 111
ナオキ君の将来の夢とは? 113
学力世界一を誇るフィンランドの教育 116
定期テストだけでは真の学力は育たない 118
テストの得点のみを求めることが学力の形骸化に 119
体験から得た知識には発展性がある 121
学校の試験での学力は子供の全能力ではない 123
生活の中での子供の言動から個性の芽を探る 125
子供の個性を見い出すことが教育の本質 127

6 教育の根幹は「命」を感じる自然にあった!

生き物離れの現代の子供達 132
太古の昔からあった自然との触れ合いを現代に 133
高度経済成長が子供達にもたらしたもの 134
ライオンなんか恐くない――小二の男子 137
ナオキ君の個性を大切に育んできた御両親 139
自然体験がもたらす実感が生きる喜びに 141
「生きた命」を感じる感性が知性を呼び起こす 143
教育の根幹は命の不思議を感得すること 145
母の祈りを越えて 148

 

あとがき 151