はじめに 3

1章 “日本人ではない日本人”として生きる

日本人はジャングルを破壊しただけ? 20
移民のほとんどは行方もわからない 22
余裕のない生活は人を疑い深くする 24
日本人ではない私の行動 26
私たち日本人に今いちばん必要な力 28
父は鹿児島の男 30
いつも空腹を抱えての生活 32
父は弱音を吐かない 34
他の兄弟より可愛がられた 35
無ければ無いなりに工夫 37
移民の募集 40
アメリカはバナナがあふれる所? 42
役所の説明でいっそう新天地に引き寄せられる 43
長兄が単身ブラジルへ移民 45

2章 夢に見た楽園の本当の姿

父の逸る思いに火を付けたパラグアイ移住の誘い 50
「大丈夫ですよ」の言葉に背中を押されて決断 52
「たけしくんはいいなぁ〜」 55
二人の兄たちと神戸で合流 58
いよいよ南米に向かって出航 60
船内は新鮮な体験でいっぱい 62
移民がかかえるさまざまな事情 65
いよいよ私たちの楽園が近づいてきたのだが…… 67
「人間が住むような場所ではない」 70
オンボロ川船、エンジンむき出しのトラックに運ばれて 73
夢に見た楽園とはあまりにかけ離れた現実 77

3章 蛇まで食べたジャングル生活

恐ろしいジャングル生活が始まる 80
「ここに来た目的はなんだ!」 84
命がけの伐採作業 85
家族に許された時間は確実に減っていく 87
寝る時間を削って仕事を急いだ 90
家作りは試行錯誤の連続 92
底なし沼の発見で水田作りが可能に 96
木の根っことの格闘 98
購入した食糧が底をつく 101
ジャングルにある物は何でも食べた 103
「大自然の生活は最高ですよ」とはかけ離れた日常生活 107
自給自足にさえほど遠い 109
父の体調に異変が起こる 112
あまり苦しいなら自殺してもいい? 115

4章 ジャングルの家族を離れて独り立ち

ジャングルの原住民と交流 120
家畜の命を代償に食糧を得る 124
勉強がしたい 128
半日学校、半日家の手伝いの毎日 131
奇跡のような1日 134
新しい体験の連続 137
「ファンシート」が私の名前になる 140
はじめての留守番で大事件が 143
内山田家での奉公 147
街の人々は人懐っこくて陽気 151
日本は何も無い貧しい国? 153
日本人は「サル」みたいだ、「牛」みたいだ 155
阿部家でトマト作りの日々 157
ロシア人集落でのトマト売り 160
はじめて給料をもらって働く 163
難関を突破し会社職員として採用される 165
ようやく設立された農協は機能せず 168
会社勤めがはじまる 170

5章 楽園の夢破れアルゼンチンへ

再び日本から大量の移民がやって来る 176
くり返される「現地視察団」という名の観光旅行 178
領事館で目撃した激増する移民たちの転住 185
コラム 移民政策中止の葛藤――武知邦夫先生の回想 189
我が家も転住の運命に従うことに 190
アルゼンチンでの生活がはじまる 194
家族そろって花の栽培に挑戦 197
温度管理のため家族で寝ずの番 202
永住権取得のために何度も役所に通う 204
父が不治の病に倒れる 207

6章 突然訪れた21年ぶりの帰国

父を失った家族はまたばらばらに 212
アルゼンチンでの最後の仕事はクリーニング業 214
大農園で作業員を管理する仕事に就く 219
日本へ一時帰国することに 223
21年ぶりに日本に帰国 225
二度、三度と仕事が変わる 228
ようやく仕事が安定し、家族にも恵まれる 230
生きているかぎり喜びを求めて 232

 

おわりに 238