topbanner

コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

幸せな旅立ちを約束します 看取り士

シアワセナタビダチヲヤクソクシマス ミトリシ

柴田久美子著

死と向き合う時、人生の目的が見えてくる

旅立つ人の本当の気持ちを伝えたい。しあわせに死ぬためにはどうすればいいのか、著者は、本書を通して一人でも多くの人が「看取り士」という存在を知り、生きる意味や死の意味に気づいてほしいと願う。

主な内容

第1章 看取りの瞬間
第2章 お金では買えない最期の贅沢……看取り士
第3章 病院で死ぬしかない日本の制度
第4章 平穏に死ぬための準備をしよう
資料編 柴田さん頑張れ!!

詳細な目次のページを開く

幸せな旅立ちを約束します 看取り士
価格
1404円(本体1300円)
判型
四六判
頁数
208 頁
発行日
2013.5.20
ISBN
978-4-87795-259-4
弊社サイトで購入する

ネット書店で購入

以下のネット書店でも、ご購入が可能です(クリックすると、各ネット書店のページが開きます。購入方法等は、各サイトにてご確認ください)。

(*は電子書籍のみです。)

立ち読み

まえがき

「看取り士」とは文字通り、旅立つ人を看取る人のことです。私は、10年前から看取りの仕事をしていますが、2年前に「看取り士」と名乗り始めました。
 この「看取り士」という職業は、おそらく日本で初めてだと思いますし、高齢社会を迎え孤独な死を余儀なくされている方々があまりにも多いこの国に、なくてはならないものだと思っています。
 では、看取り士は何をするのかと言いますと、住み慣れた自宅やご本人の希望する場所で自然な最期を迎えたい人に、24時間寄り添い、旅立ちを支援します。旅立つ方が悔いなく、しあわせに人生を全うするため、ターミナル(回復の見込みがない段階)から納棺の前までのすべてを相談に乗り、ご家族の方とともに見送ります。つまり、ご本人が思い通りに旅立っていけるように調整していくのが看取り士の仕事です。
 具体的には、お墓のこと、葬儀のこと、医師との連携などをし、どこでどのように最期を迎えるかをプロデュースします。
 そして、いよいよ看取りの場面になると、そこには四つのポイントがあります。
 まず一つに、旅立つ人と肌の触れあいをすること、二つ目に、傾聴、反復、沈黙を繰り返すこと、三つ目に、大丈夫と声をかけること、四つ目に、旅立つ人と呼吸を共有することです。詳しくは第2章に譲りますが、しあわせに旅立つためのプロデューサーといったところでしょうか。
「看取り士」は、看取りの現場で、旅立つ人そのものになって、旅立つ人の思いや愛やパワーを受け止め、残った人に受け渡すのです。看取りの場面では、奇跡的なことが起こります。しかし、それは奇跡ではなく、すべてが予定されたことのように感じます。
 私の「看取り士」の原点には父の死があります。
 小学6年の浅い春の日、最愛の父が旅立ちました。
 胃ガンで余命3ヶ月。自宅の父の部屋の障子は光に包まれていました。
 人々に囲まれて父は、一人ひとりに「ありがとう」を伝えます。最後に末娘の私の手を握り締め「ありがとう。くんちゃん」と微笑みました。そしてその手は冷たくなり、硬くなりました。父の目はもう二度と開くことはありませんでした。人の死が感動であり、とても尊いものと父は自らの死をもって教えてくれました。

続きを読む

プロフィール

柴田久美子(しばたくみこ)

島根県出雲市生まれ。日本マクドナルド(株)勤務を経てスパゲティー店を自営。平成5年より福岡の特別養護老人ホームの寮母を振り出しに、平成14年に病院のない600人の離島にて、看取りの家「なごみの里」を設立。本人の望む自然死で抱きしめて看取る実践を重ねる。平成22年に活動の拠点を本土に移し、現在は鳥取県米子市で在宅支援活動中。新たな終末期介護のモデルを作ろうとしている。また、全国各地に「死の文化」を伝えるために死を語る講演活動を行っている。現在は一般社団法人なごみの里代表理事、介護支援専門員、吉備国際大学短期大学部非常勤講師、神戸看護専門学校非常勤講師。

主な著書に『「ありがとう」は祈りの言葉』『風のようによりそって』『看取りの手びき 介護のこころ』(佼成出版社)『死なないでください』(アートヴィレッジ)『抱きしめておくりたい』(西日本新聞社)など多数。