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総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと

60サイカラハジメルニンチショウニナラナイチョウカンタンノウニイイコト

いつでも楽しくできる認知症予防6つの秘訣

周東 寛著

脳にいいことをしよう!

今後日本社会全体で10人に1人の割合で発症するともいわれている認知症(厚生労働省)。本書は、認知症予防に有効な生活習慣、運動、食生活などの秘訣を、すぐ実践できるよう整理して紹介。読みながら脳を活性化できる「脳トレ・イメージングシート」付。

主な内容

Ⅰ 60歳でボケる人 80歳でもボケない人
Ⅱ 脳にいい生活習慣
Ⅲ 簡単な有酸素運動でも認知症予防はできる
Ⅳ 手の運動で脳は活性化する
Ⅴ 楽しく続けられる脳トレーニングを取り入れる
Ⅵ これが脳を元気にする食生活の基本
Ⅶ 認知症予防には転倒を防ぐことも大切

詳細な目次のページを開く

60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと
価格
1430円(本体1300円)
判型
四六判
頁数
160 頁
発行日
2012/12/05
ISBN
978-4-87795-247-1

立ち読み

はじめに すでに国民病ともいえる認知症も、予防することが何より大事

 超高齢社会を迎えて、誰もが願うことの1番と2番は「寝たきりになりたくない」と「ボケたくない」です。しかし、いわゆる元気なままで「ピンピンコロリ」と亡くなる人は、おそらく10人に1人もいないでしょう。
 ほとんどの人がどこかで必ず寝たきり状態になるとか、認知症になって死を迎えているのです。
 とくに認知症は、今後日本社会全体で10人に1人の割合で発症するともいわれています(厚生労働省)。
 私のクリニックでも、はじめて来院される患者さんから「最近、物忘れが目立ってきた」「認知症は大丈夫かな」と不安がる声をよく耳にします。

 では、どうしたら、健康に長生きしてピンピンコロリと最期を迎えられるような人生を送れるのでしょうか。
 認知症については、まだ、その発症の原因が完全に解明されているわけではありません。ですから、診断方法も流動的な面があります。それでも医療の現場では認知症の患者さんの通院が増えています。
 その一方で、私が診ている高齢の患者さんのなかにも、まったくボケはなくて頭がはっきりしている方がけっこういます。医療現場でそうした患者さんに接しながら、60歳でもボケる人と80歳でもボケない人では生活面でどこに違いがあるのか長年調査してきました。その結果、共通した傾向があることがわかってきたのです。

 日本人の死因のトップスリーは悪性新生物(ガン)と心疾患と脳血管疾患ですが、これら三大疾病はどれも生活習慣と深く関係しています。それで成人病から生活習慣病と呼び名も変わりました。認知症も同じで、普段の生活と深く関係しているのです。
 高齢になっても認知症にならない方の生活を医学の目で見ていますと、認知症を予防するヒントがいっぱい隠れています。それらは、最新の研究で明らかになってきた認知症のしくみから考えても納得できることばかりです。

 私は、高齢社会になるほど予防医学が重要であると考えています。それで、クリニックではありますが、大学病院レベルの検査機器も導入して早期発見に努めています。それによって病気を予防できる可能性が高まるからです。
 すでに国民病ともいえる認知症についても、予防することが何より大事です。そのために、私も長谷川スケール(被験者への口頭による質問により、短期記憶や見当識、記銘力などを比較的容易に点数化し認知症かどうかを評価)やVSRAD(前駆期を含む早期アルツハイマー型認知症の診断を支援するためのソフト)によって、脳の萎縮度をチェックし、症状と合わせて早期治療に取り組んでいます。
 こうした医師による早期発見、治療はもちろん大事ですが、認知症予防法に有効な生活習慣、運動、食生活などを心がけることはもっと大事です。本書では、それらをすぐ実践できるように整理して紹介することにしました。
 テーマごとに2、3頁にまとまっていますので、関心のあるところから選んで読んでいただいてもけっこうです。
 また、各項目ごとに「脳トレ・イメージングシート」を設けてあります。そこにあるキーワードを見ながら何が書いてあったか想起してみてください。それによって読んだ情報がイメージとして定着し、生活のなかで実践しやすい記憶になっていきます。
 同時に、これは脳を刺激するトレーニングにもなります。知識として理解するだけでなく、イメージとして記憶するために脳を使うと、より効果的に脳を活性化できるからです。
 では、いよいよ本論に入りますが、この本との出合いがみなさまの健康長寿のお役に立つことを願ってやみません。

 2012年11月 周東 寛

目 次

もくじ・・・60歳からはじめる認知症にならない超簡単脳にいいこと

はじめに

Ⅰ 60歳でボケる人 80歳でもボケない人

1 ボケると「物忘れ」を忘れる

2 「家族の記憶」がなくなってしまうことも

3 認知症で失われるのは記憶だけではない

4 何をしようとしていたのか、わからなくなる

5 認知症は介護が必要な病気

6 日本社会全体で10人に1人が認知症に

7 アルツハイマー型認知症に共通しているのは脳の萎縮

8 自分の状況を正しく認識できない

9 脳血管性認知症の予防は生活習慣病の危険因子除去から

10 脳は「怠け者」

11 脳に働く喜びを味わわせる

12 80歳になっても認知症にならない人に共通していること

Ⅱ 脳にいい生活習慣

13 飲酒と脳容積の減少には密接な関係がある

14 認知症予防には一切飲まないにかぎる

15 タバコにより認知症の発症率は2倍以上に

16 受動喫煙も認知症の高リスク

17 しっかり熟睡できる習慣づくりが大事

18 昼間よく体を動かすと熟睡できる

19 寝入りばなの深い睡眠が大事

20 よく眠るためのヒント

上手に昼寝をする/太陽に逆らわない生活をする/夕方以降は水分を摂りすぎない

Ⅲ 簡単な有酸素運動でも認知症予防はできる

21 認知症予防には有酸素運動が有効

22 いちばんの基本は歩くこと

23 厚生労働省もウォーキングを提唱

24 ちょっと自転車に乗るだけでも脳は活性化

Ⅳ 手の運動で脳は活性化する

25 「手は外部に飛び出した脳」

26 これが脳を強く刺激する手の運動

○何も考えずにただ指を動かしても脳は喜ばない

○栗田昌裕医学博士による「指回し体操」

○指で小銭をつまんで移す、お箸で豆をつまんで移す

○たかがじゃんけん、されどじゃんけん

ひとりじゃんけん/グーパー運動/グーチョキパー運動

○文字を手書きする

○絵を描く・ぬり絵をする

○意外に楽しい陶芸・粘土細工

○切り絵、折り紙をする

○年齢を気にせず楽器の演奏を楽しむ

Ⅴ 楽しく続けられる脳トレーニングを取り入れる

27 脳トレーニングは認知症予防にもなる

28 脳トレーニングは簡単にできて続けやすいものを

○声を出して文字を読む

○簡単な計算問題を素早く解く

○五感を刺激する

○テレビドラマは展開を予測しながら観る

○季節の変化を意識する

○いいなと思えることにはこだわる

○カラオケで認知症を防ぐ

○回想体験をする

Ⅵ これが脳を元気にする食生活の基本

29 糖・塩・油・酒の摂りすぎは認知症リスクを高める

30 認知症予防には青魚がいい

31 血液サラサラ食品を摂る

32 緑黄野菜は認知症予防になる

33 とくにビタミンB、C、E群が認知症予防に有効

34 カルシウムをしっかり摂る

35 マグネシウムもしっかり摂ろう

36 摂りすぎ塩分の排出にはカリウムも必要

37 認知症予防には肥満も気をつけよう

Ⅶ 認知症予防には転倒を防ぐことも大切

38 転倒が認知症のリスクを高める

39 転倒を防ぐには筋力づくりがいちばん

40 転倒を防ぐには生活習慣の見直しも必要

41 膝、腰を曲げて歩く姿勢を直す

42 生活の中で自然に体を動かす機会を増やす

43 腰痛の予防も転倒防止には大切

44 転倒を防ぐ環境づくりも必要

あとがき

プロフィール

周東 寛(しゅうとうひろし)

1978年昭和大学医学部卒。1980年、昭和大学藤が丘病院呼吸器内科入局。1986年、自らの医療方針を実現するため駅ビル医院「せんげん台」を開院し、1990年に医療法人健身会を設立して理事長に就任。2003年には南越谷健身会クリニックを開院し、院長に就任。昭和大学医学部兼任講師。医学博士。

開業以来、西洋医学に東洋医学を取り入れるとともに、食事指導、運動指導や最新の検査機器を導入して予防医学にも尽力。2007年には厚生労働省認定運動施設医療法・42条施設『健康ひろば』を2施設に設立。また心身医学療法にも取り組み、トータルヘルスの実践に務めている。