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就学時健診を乗り越える最強の方法

シュウガクジケンシンヲノリコエルサイキョウノホウホウ

発達障害は家庭で改善できる!/就学&自立を決める6歳までの育て方/5000家族以上を改善指導

鈴木昭平著

家庭こそ「奇跡の学校」

就学前の6歳ころまでに家庭で、子どもの自立の基盤となる「基礎能力」を伸ばすと発達障害の改善が顕著だという。発達障害があると、専門家の判断に依存したくなるが、子どもと毎日接している親こそ“最高の専門家”。本書の成長発達サポート表を使えば、子どもの本当の発達状態がわかり、もっとも適切な働きかけ方もわかる。

主な内容

1章 「発達障害かも…」今から準備 就学時健診を乗り越えるコツ
2章 「スズキ式家庭教育」で子どもがぐ〜んと伸びる
3章 成長発達サポート表は子育てのバロメーター
4章 親ができることは何でもやろう!

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就学時健診を乗り越える最強の方法
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
210 頁
発行日
2018.3.23
ISBN
978-4-87795-365-2

立ち読み

プロローグ――発達障害は家庭で改善できる「就学準備編」

◎発達障害とどう向き合うか?

 私は、これまで発達障害のある子どもを持つ5000以上のご家族からの改善相談を受けてきました。そのなかで、こんな相談を受けることがたくさんあります。

「うちの子は大学に行けるようになるのだろうか、結婚できるようになるのだろうか、仕事をして食べていけるようになるのだろうかと思うと、不安でいっぱいになります」

「つい他の子と比較してしまい、どうしてうちの子だけできないのか、どうして普通じゃないのかと思ってしまいます」

「心のどこかで、いつかは普通の子のようになってくれるかもと淡い期待をもっていました。しかし、就学時健診で発達障害を指摘され、支援級を考えるように言われて混乱しています」

 就学時健診や専門家との面談では、「発達障害は改善しない」という立場から指導を受けることがほとんどです。改善しないという前提で、発達障害であるという事実を受け入れ、子どもの現状に合った教育環境を選ぶことをすすめられます。

 そして、就学後に普通級に進むか、支援級か支援学校に進むかを選択することを求められます。このときこそ、親が子どもの発達障害の状態をどのように理解しているか、発達障害とどのように向き合ってきたかが問われます。

◎「基礎能力」を伸ばせば子どもは改善する

 発達障害の子どもを持つご家族との面談で、私が

「発達障害は改善できます。お子さんはエジソンやアインシュタインのように天才性を発揮する可能性を秘めています」

とお話ししますと、子どもの発達状態がおかしいことに不安でいっぱいの親御さんは、みなさんびっくりされます。

 私はまず、子どもの脳の発達とその仕組みを説明します。発達障害のある子どもは、脳の発達段階に特殊性があるだけです。そのことを理解して親が働きかければ、子どもの中に潜在している能力をいくらでも伸ばすことができるのです。

 とくに就学前の6歳ころまでに家庭で、子どもの自立の基盤となる「基礎能力」を伸ばすと、発達障害の改善は顕著になります。就学後、普通級に入って学校生活を楽しく送る子どもたちが増えています。いろんな科目で100点満点を取る子どもたちもたくさんいます。

 ポイントは親の意識の出発点をどこに置くかです。それで、子どもの人生はまったく違ったものになります。親が発達障害は改善しないと諦め、専門家にすすめられるままに支援級に進むことも選択の一つだと思いますが、もしそれが発達障害に対する誤解であり、子どもの可能性を潰してしまうことになるとしたら、たいへんもったいないことです。

 本書で紹介する「スズキ式家庭教育」は、最新の大脳生理学に基づいています。このメソッドにより、発達障害の子どもの脳の特性を活かした、効果的な働きかけをすることができます。

 しかも、誰でも簡単に使える「成長発達サポート表」によって、子どもの発達状態と伸びる可能性を確認でき、取り組む課題もはっきりします。

◎毎日子どもと接している親こそ“最高の専門家”

 子どもとは未来のことです。子どもが成長した分、未来社会が良くなるのです。どんな子も「スズキ式家庭教育」で自立の基盤となる基礎能力が身につけば、必ず伸びていきます。とくに発達障害の子どもの場合は顕著です。

 フルバージョンの「成長発達サポート表」には576項目の基礎能力が記載されています。しかし、読者のみなさんがすぐ利用できるように、本書には優先度の高い基礎能力288項目が掲載されています(109〜120頁)。

 ご覧になるとわかりますが、専門家にしか理解できないような難しい表現は一切ありません。どの項目も、親が子どもの成長において身につけることを願うことばかりです。

 親は普通、それらを断片的に、アバウトに認識していると思われますが、それではまったく役に立ちません。この「成長発達サポート表」の特長の一つは、子どもの自立の基盤となる基礎能力を四つの分野に分類し、親御さんが体系的かつ総合的に理解できるようにしていることです。

 これを使えば、子どもが今どこまで基礎能力を身につけているか、これから身につけなければならない基礎能力は何か、が手に取るようにわかります。子育ての目標がはっきりするのです。だから、必要以上に悩まなくて済むのです。

 発達障害があると、医師や臨床心理士などの専門家の判断に依存したくなるかもしれません。しかし、子どもと毎日接している親こそ、どんな専門家よりも子どもを見ている“最高の専門家”なのです。その親がこの検査表を使えば、子どもの現在の実力も、直近で伸びる可能性も簡単に確認できますし、直ちに取り組むべき課題の優先順位もはっきりします。そして、もっとも適切な働きかけ方も見えてきます。

(以下略)

目 次

就学時健診を乗り越える最強の方法…もくじ

プロローグ――発達障害は家庭で改善できる「就学準備編」

◎発達障害とどう向き合うか?

◎「基礎能力」を伸ばせば子どもは改善する

◎毎日子どもと接している親こそ“最高の専門家”

◎発達障害が改善し普通級へ! 学力もアップ!!

【スズキ式家庭教育を始めて8カ月で普通級進学が決定】

 「発達にばらつきがあるのが原因です」と専門家に言われた

 「普通級は難しい」と幼稚園の先生に遠回しに言われて

 まず運動面がメキメキ伸びた!

 8カ月で総合的にレベルアップ! 普通級進学決定

 「成長発達サポート表」と「脳の体質改善」が決め手

【学校での遅れはありません】

 親子面談時のわが子の様子に衝撃を受ける

 地道な積み重ねで着実な効果が

 成長発達サポート表で学力もアップ

 親の反省と覚悟が大事

【支援級に移るも2年生からは普通級へ】

 就学時健診で自閉症スペクトラム症候群と診断されて

 最初は普通級に入るも、2カ月後に支援級に移る

 再三の却下に負けずに学校、教育委員会と闘い、2年生から普通級へ

1章 「発達障害かも…」今から準備 就学時健診を乗り越えるコツ

小学校入学前の不安

就学時健診とは

「発達障害児が増えた!?」その背景

就学時健診で「支援級」「支援校」と診断されるとどうなるの?

これまでの常識は無視して良い

2章 「スズキ式家庭教育」で子どもがぐ〜んと伸びる

(1)子どもの未来を絶対に諦めない!

親の使命は子どもの自立と心得る

お母さんの笑顔がカギ!

子どもの脳に合った適切な刺激を与える

「スズキ式家庭教育」には二つのステップがある

発達障害の改善は早期発見と早期実践が大切

(2)子どもを教育する権利と義務は誰にある?

改善に失敗している「専門家」の言葉を参考にしてはいけない

「スズキ式家庭教育」だからこそ子どもを伸ばせる

やってはいけない! ストレス教育は発達障害に逆効果

「学ぶ」という言葉の意味

自己イメージ

褒め育て

家庭こそ「奇跡の学校」

(3)親が変われば子どもは変わる!

子どもの改善のために親が絶対にすること

3章 成長発達サポート表は子育てのバロメーター

(1)「発達検査表」から見えてくる希望

子どもの成長発達をサポートする「成長発達サポート表」

成長発達サポート表(普及版)の特色

親子関係がプラスのサイクルで回転し始める

少しでもできたら気絶するほど褒める

他の子どもと比べない

「基礎能力、自信、我慢」から「思いやり、知恵、勇気」が育つ

(2)成長発達サポート表の正しい使い方

使い方のポイント

成長発達サポート表をチェックする場合の注意点

できるだけ細かく観察、取り組みはできそうな△印から

言語面を伸ばす「発語ノート」の使い方

専門家が使う発達検査表との違い

※成長発達サポート表(普及版)

(3)データ化と可視化で子どもの変化が一目瞭然

成長発達サポート表をデータ化する

データ化は簡単にできる

a)「成長発達指数」、「可能性の数値」、「両者を含めた数値」を出す手順

(b)成長発達度合いが一目でわかるグラフ作り

データの活用法

天才性を伸ばすことに注目!

(4)子どもを伸ばす驚きのセオリー

発達障害の改善を加速する“三つの柱”実践

学習力を高める“超高速楽習法”

五感を活用し、基礎概念を教える

自己コントロールを身につける

他の子どもと比べず前向きに

子どもをよく観察できる親になる

馬鹿親にならず「親ばか」になる

「してはいけないこと」を学ばせる

思いやり、知恵、勇気の回路をつくる

10分間バスタイム学習法で効果を高める

脳の血流を良くする工夫

脳にストレスを与えない工夫

腸に良い食生活に変える

脳のメカニズムに適した生活に変える

感情をコントロールするために

一呼吸が子育ての極意

“いいあんばい”“8割主義”がうまくいく!

4章 親ができることは何でもやろう!

(1)就学時健診の前までにすること

就学時健診を乗り越えるコツ

△印が一つ増えるたびに気絶するほど褒めましょう

「伸びている!」というアピールが大切

◯コラム 先輩ママのアドバイス「就学時健診の傾向と対策」

(2)入学までにすること

集団生活のイメージづくりが大切

ストレス耐性を高める

シミュレーションを行なう

◯コラム 先輩ママのアドバイス「入学前にやっておくと良い取り組み」

子どもの自尊心を守る

親のストレスも考慮して

余裕ができれば先取り学習にチャレンジ

(3)入学後にすること

6歳までの基礎能力が90%以上になるとどんどん伸びる

不登校のススメ

◯コラム 先輩ママのアドバイス「学校生活の秘訣」

困ったときは迷わず親同伴登校を

(4)10歳までは手を抜くな! ノーベル賞大隅教授のオートファジー論

脳科学を生かした実践教育が必要

ミラーニューロンを活用する

◯コラム 先輩ママのアドバイス「子どもの脳にいい親の智恵」

 

エピローグ

プロフィール

鈴木昭平(すずきしょうへい)

1950年茨城県北茨城市生まれ。76年3月横浜国立大学大学院経営学研究科修士課程修了。経営学修士。ジャスコを経て常磐大学職員、常磐学園短期大学学内講師、桜美林短期大、産能短大、日本航空高校、国土交通省・住宅産業研修財団などの講師を務める。1988年より幼児教育に携わり、2008年までに30人以上の知的障害児が劇的に改善。その指導方法を広めるべく2009年、一般社団法人エジソン・アインシュタインスクール協会を設立。現在同協会代表。すでに5000家族以上の相談指導を行なっている。