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総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

誰も書けなかった死後世界地図

ダレモカケナカッタシゴセカイチズ

百年前の英国で大反響のベストセラーが現代に甦る!

A・ファーニス著、岩大路邦夫訳、文構成・山口美佐子

死後世界をすみずみまで歩いて描いた史上初の霊界版「世界地図」

死後の世界にも仕事があるし、住む家もある。学校もあるし、DVDシアターまである。ただ決定的に違うのは「心の中身」によって全てのことができあがっていることである——。臨死体験を超える驚愕の事実が明らかに!。この1冊で死に関するソボクな疑問が解けるかも。

主な内容

1章 死の壁の向こうに何が見える?
2章 「心の中身」が「死後の世界」を決める?
3章 ここまで見えた霊界のしくみ
4章 空想ではなかった“地獄”の存在
5章 “天国”へ到る道

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誰も書けなかった死後世界地図
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
216 頁
発行日
2004/9/21
ISBN
4-87795-062-1

立ち読み

 

 はじめに


 この本を手に取ったみなさんのなかには、きっとこういう疑問をおもちの方がいるでしょう。
「天国であれ、地獄であれ、そもそも死後の世界なんて存在するだろうか?」
「特定の宗教を信じているわけでもない自分には、死んだら人は無になるとしか思えない。無にならないなら、何になるというのだろう?」
 それと同じ疑問をもった人間が、百年ほど前にもいました。彼の名前は、フランチェッツォ。
 一九世紀後半に、イタリア貴族の子として生まれた彼は、芸術的な才能と外見的な魅力に恵まれた人物でした。早くに母を亡くしましたが、ほかの兄弟と共に父親に愛され、社交界の寵児として女性たちの人気の的でもあったのです。
 ただし、自分の能力と天分をいいことに、放蕩を重ねて中年になった彼には、本気で本物の愛情を注いでくれるような女性はいませんでした。そんな彼が「私の善き天使」と呼んで心から受け入れることのできた一人の純粋な女性に出会ったころ、彼には死が近づいていました。
 その女性こそ自分のすべての愛情を捧げるに値する存在だといよいよ気づき始めたころ、運命は皮肉にもフランチェッツォの突然の病死によって、二人を引き離します。
 最初、彼は自分が死んだことに気づきませんでした。なぜなら、暗闇の中ではありましたが、自分の意識ははっきりしていましたし、動くことも声をあげることもできたからです。
 そして、彼の病床に付き添っていてくれた、愛する女性に会いたいと心の中で願うと、彼女の姿を見ることもできました。しかし、その光景は彼を打ちのめしました。彼女は、新しい土で盛られた墓の前で涙を流していたのです。それは、彼自身の墓でした。
「死んだんだ! 死んだんだ!」
「まさか、そんなばかな! だって死んでしまったら何も感じないはずだろう、土くれになるんだろうが? 朽ち果て、腐り果て、それですべてお仕舞い、何も残らない、死んだらもう何の意識もないはずだろう?」
 彼は、そう叫んでパニックになります。フランチェッツォが生きた時代は、教会の組織としての腐敗がはなはだしく、彼は教会とは一切縁を切っていたのです。ですから、宗教による死後の救済というものを、彼はまったく信じていませんでした。
「いったい、誰が死んだ後の未来について告げることができるというのでしょうか。
 生きている間は死について理論付けをしたり、考えたりしますが、それだけで実際は何もわかっていませんし、死んだ人間が生き返って死について告げたこともないのですから。しかし今、私はこの自分の墓の傍らに立ち、いとしいあの人が死んだ私の名を呼び、花を投げかけるのを見つめているのです」
 死んだあとも自分の意識が存在すること、愛する彼女を見ることはできるけれども、触れることも話すこともできないのを自覚したフランチェッツォは、どこに行くあてもないままに「地表の霊界」と呼ばれるところをさまよいます。
 やがて、威厳のある男性の霊が彼の前に現われ、こう諭されます。
 もしフランチェッツォが、自分の力で愛する彼女にメッセージを送り、やがて再会したいと望むなら、地上の霊界に行き「悔悟の同胞団」に入るのがよいと。
 そこから、フランチェッツォのスピリットランド=霊界での旅が始まります。
 彼は、愛する女性と守護霊のアーリンジマン師の助けを借りながら、「希望の家」に始まり、利己的な霊が行く「たそがれの国」、「灰色の石の谷」、「不安の国」、「守銭奴の国」、「不幸な国」、「凍結の国」、麻薬中毒者が眠る「昏睡の洞窟」など、霊界にある国々を次々と訪問します。
 さらに、いわゆる地獄にあたる「最下層の霊界」の探索隊への参加、自分の人生のすべてが記録されていて、それを見せられてしまう「悔い改めの国」の旅路を通して、フランチェッツォは、これまでの人生で彼が知らなかった、自己犠牲や純粋な愛情を学んでゆきます。
 こうした霊界の旅を通して、過去の自分を克服した彼に待っていたのは、“第二の死”を通過することによる、明るい霊界「あかつきの国」への再生、初めての家を与えられた「朝の国」の暮らし、さらに輝く「日の国」に建つ美しい自分の館でした。
 ここでフランチェッツォは、今も霊界での使命を果たしながら、愛する女性が地上での役割を終え、彼のもとへ来るのを待っているのです。

 ところで、どうして私たちは、かつてこういう人間が実際に生き、そして死後にこのような経験を経たことを知っているのでしょうか。
 それはフランチェッツォが自分の霊界での旅の様子を人々に知ってほしいと願い、一九世紀のロンドンに生きたA・ファーニスという霊媒にくわしく語ったからです。
 ファーニス氏はフランチェッツォが語った内容を『A Wanderer in The Spirit Land』(邦題『スピリットランド』)という本として、一九世紀末に出版しました。
 本書では、この『スピリットランド』に語られた死後世界の様子と、フランチェッツォ自身や彼を導く霊人の言葉をもとに、「死後の世界とはどんなところ?」、「そこで人はどんなふうに暮らすのだろう?」といったソボクな疑問に答えていきます。
 私たちはふだん、この人生の最後に「死」という扉があることを忘れようとして生きているように見えます。それは、「死」の扉を開けるときの肉体的苦痛や、これまで得たものが消え去ることへの恐怖、愛する人々と別れる悲しさを考えすぎると、死ぬこと自体が恐ろしくなってしまう。そのことへの、自衛の本能なのでしょう。
 けれども、生きている以上は誰でも、いつかは「死」の扉を開けねばなりません。
 ただそのとき、「死」の扉の先に何があるか、あらかじめ道案内をしてくれる人がいたとしたら、どうでしょうか?
「地上の人生のあとにくるものについての確証のないまま、暗闇や霧の中をさまよう人々に対し、私は隠された神秘である死の扉の向こう側に渡った一人の霊人として、この自分の遍歴の記録を捧げたいと思います」
 これは一八六九年に、フランチェッツォがファーニス氏に語った言葉ですが、彼の経験は、私たちが扉を開けて「死後の世界」を歩こうとするとき、きっと役立つ地図になってくれるでしょう。そして、もっと大切なことは、それが私たちが人生を歩むための地図になってくれるということです。これから、ぜひその内容を知っていただきたいと思います。

目 次

もくじ・・・誰も書けなかった死後世界地図

はじめに

1章 死の壁の向こうに何が見える?
――“死後の世界”に関するソボクな疑問

「死」は終わりじゃないの?

自分が死んだといつわかるか?

霊はいつ肉体から離れていくのか?

天国とか地獄は本当にあるのか?

宗教をもたない普通の人が死ぬとどうなる?

死後の生活はこの世の生活とまったく違うの?

霊になってもおなかがすくの?

霊になっても痛みや寒さを感じるの?

霊になっても睡眠は必要?

霊になっても年はとるのか?

霊になっても地上人に自由に会えるか?

霊になっても地上に戻れるのか?

霊は同じ欲望をもつ地上人に取り憑く?

死んだ人と話す方法はあるのか?

お墓参りする姿を霊は見ている?

地上人が死を悲しみすぎると霊を苦しめる?

“守護霊”って本当に存在するのか?

“生まれ変わり”って本当にあるの?

2章 「心の中身」が「死後の世界」を決める?
――あなたは死んだらどこへ行く?

死んだあと、しばらくはいろんな世界を通過する

生き方しだいで行く場所が違う?

自己中心的な人が行く場所

ケチな人が行く場所

ケンカ好きな人が行く場所

打算的な人が行く場所

麻薬中毒者が行く場所

「地獄行き」にあたる罪とは何か?

“地縛霊”にならないためには?

“行きすぎた快楽”は霊にとっては“痛み”になる

利己主義や物欲がすぎると魂の発達を妨げる

死後の世界では“利己主義の克服”が大きなテーマ

霊界でも自分の家がもてる?

寛容の心をもつほど上の世界へ行ける

3章 ここまで見えた霊界のしくみ
――学校もあるし仕事もある?

先に死んだ人に会えるか?

“天使”は本当にいるのか?

霊界にも戦争はあるか?

霊界にも学校はある?

霊界での仕事とは何?

霊に行動の自由はある?

霊界での時の流れは?

霊界はどこに存在するのか?

霊が増え続けても霊界は満杯にならない?

霊界の情報伝達方法は?

霊同士のコミュニケーションはどうなってるのか?

地上人は霊界と交信できる?

霊界における哲学とは?

4章 空想ではなかった“地獄”の存在
――フランチェッツォが目撃した地獄レポート

地獄の炎の「正体」は?

本当に地獄の門に鬼はいるのか?

地獄から抜け出すことはできるのか?

死ぬこともできない苦しみがある

邪悪な考えがつくり出す泥沼

生きたまま埋葬される牢獄

人を苦しめたように苦しめられる

先祖の霊が私たちの人生に影響を与える

自殺者の死後はどうなるか?

復讐をするとどうなるか?

地獄にも戦争がある?

地獄の戦争で負けるのは良心の芽生えのせい

5章 “天国”へ到る道
――どんな人生にも希望がある

より明るい世界へ行くには?

赦しの大切さ

霊になっても地上の記憶は残る?

知らずに人を傷つけたことまで清算

子供を愛せなかった女性の話

傲慢な人、同情心のない人がたどる道

フランチェッツォの最後の試練

運命は変えられない?

霊界での信仰と理性

フランチェッツォからの伝言

プロフィール

A・ファーニス(Farnese)

19世紀末、真の著者であるフランチェッツォから示された言葉を忠実に書きとどめ、本に著した。霊人であるフランチェッツォが彼の前にたびたび物質化して現われるのを目撃。それがフランチェッツォであることを、生前の友人らを通して確認している。

岩大路邦夫(いわおおじくにお)

1948年藤沢市生まれ。明治大学卒業後、フリーランスライターとして活躍。その後NGO活動に従事してアフリカ、ロシア、中東、南米を回るかたわら、世界の宗教思想の研究を続ける。

山口美佐子(やまぐちみさこ)

1962年生まれ。青山学院大学文学部フランス文学科卒。編集プロダクションにて実用書の企画・編集、新卒採用広告などを担当したのち、1992年よりフリーランスのライターとなる。若者向けマニュアル、占星術、血液型などさまざまな実用書を手がけている。